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美食の街・サンセバスチャン バル巡りHowToとおすすめバル9選

こんにちは、タナーです。私たち夫婦は美味しいものと美味しいお酒に目がなく、いつか美食の街・サンセバスチャンに行き、バル巡りをしてみたいと願っていました。2023年の夏に初めて訪問し、最高に美味しくて楽しかったので、2025年初めに2度目の訪問を果たしました。全部で6泊し、美味しいと有名なお店にも何度も通い、おすすめできる美味しいお店や、注文のコツなどを掴んできたので、これらを共有したいと思います。

バルが集まる旧市街

まずはバル巡りのコツについて説明していきますね。「そんなのいいから美味しいお店を教えて欲しい!」という場合は、コチラまで飛んでください。

バル巡りHowTo

サンセバスチャンのバル巡りって?

 スペイン北部のバスク地方にある都市サンセバスチャン。ビスケー湾の真珠と呼ばれる美しいビーチがあり、夏にはリゾート地として賑わいます。大きい街ではありませんが、人口あたりのミシュランガイド掲載レストラン数が世界一で、美食の街として有名です。ミシュランに載っているような高級レストランはもちろんのこと、街場のバルで提供される料理も非常に美味しく、街全体で美食を極め、共有し、街全体に美食が溢れているという夢のような場所なのです。

 サンセバスチャンの旧市街にはバルがひしめき合い、毎晩美食を求める人で盛り上がっています。バルにはそれぞれお店イチオシのシグネチャーメニューがあり、それらのメニューと1杯飲んで、次のバルに行くというホッピングスタイルがサンセバスチャン流。かつては地元の人で楽しんでいた美食街ですが、徐々に噂が広がり、今では世界中から美食を求めて人々がやってきています。

 私がサンセバスチャンを訪れたお盆や年末年始の時期には、「ここは本当に日本から遠く離れたスペインの、しかも地方の街なのか?」と疑いたくなるほど、たくさんの日本人がバル巡りを楽しんでいました。見かけるアジア人はほぼ全員日本人でしたね。日本人は美味しいものが大好きですから、美味しいものを嗅ぎつける嗅覚も鋭いんだなぁと興味深く感じました。

 それでは早速、バル巡りのコツ・注意点をお伝えしていきましょう。

スペインの食事時間は日本とずれている

 スペインの食事の時間は、日本をはじめとした他国と約2時間ずれています。日本のランチは12時〜、ディナーは18時〜というのが一般的ですが、スペインのランチは14時〜、ディナーは20時〜です。日本の感覚で行くとお店が開いていないこともありますので、営業時間を十分チェックしましょう。

営業時間のチェックは面倒だと感じるかもしれませんが、食事の時間がずれていることを逆手に取れば、人気店でも比較的空いている時間帯(我々日本人の本来のお腹の空く時間帯)に、ゆっくりと食事ができるということです。プランニングが重要ですね。

せっかくなら人気店に入ろう

 旧市街には無数のバルがひしめいていますが、いつも人で溢れかえっている大人気のバルもあれば、ディナーの時間帯なのにあまりお客さんが入っていないようなお店もあります。お客さんが入っていないお店より、たくさんの人で溢れているお店の方が、美味しいものを出してくれそうだと思いませんか?実際に、人気のお店では本当に美味しい洗練された料理が提供されています。

 美食を求めて遥々サンセバスチャンまでやってきたのなら、絶対に人気のお店で美味しい料理を食べるべきです。サンセバスチャンには絶品の料理が、食べきれないほどあるのです。限られた日程と胃袋の容量を、ありふれた味の料理で埋めていては勿体無いですよね。

混んでいても怯まない

 そうは言っても、特に人気店は、カウンター前が大混雑で幾重にも注文しようとする人が重なっています。初見の人は全く注文できなさそうだと感じるでしょう。でも諦めないでください。混雑には波があります。他の店舗に行って、帰ってきたら混雑がマシになっているということはよくあります。

 混雑がマシになったとして、カウンター前にはたくさんの人がいます。まずは、カウンター前にいる人たちの中から、飲み終わりそうな人を見つけて後ろに立ち、空くのを待ちましょう。体を捩じ込めるスペースがあれば、1人だけでもカウンター前の場所を確保すると、隣が空いた時にスルッと入り込みやすいです。また、うなぎの寝床のような店舗も多く、入り口は大混雑だけど奥の方に入っていくと意外とスペースが空いていることもあります。勇気を持って奥まで進んでみましょう、ダメなら戻ってくれば良いんです。

 注文するときは、店員さんと目を合わせて「Hola(オラ)!」と挨拶し、合わせた目は離さずに注文できそうかどうか、感じ取ってください。あまりにも忙しい時には目が合わないですが、たとえ目が合ったとしても注文を受けてもらえないタイミングはあります。そういう場合には少し様子を伺って、注文ができるタイミングを待ちましょう。

 目を合わせて挨拶し、注文ができそうであれば、さっと注文しましょう。混雑時の店員さんはとても忙しいので、注文するものは予め決めておき、伝えるだけにするのがスマートです。

スペイン語で注文してみよう

 日本でも、英語で注文されるより日本語で頑張って注文してくれる方がなんだか嬉しいですよね。スペインでもきっと同じ。郷に入っては郷に従えという諺もあるように、スペイン語で注文してみましょう。スペイン語が話せなくても、数と単語で大体わかってくれます。注文したものに幾つか種類があったりするとスペイン語で聞かれたりすることもありますが、「え?分からないなぁ…」という態度を取れば英語などで伝えてくれようとするので、心配要りません。

 写真を見せて「これひとつ!」という注文方法もとても簡単でお勧め。Google mapなどでそのお店のメニューの写真が沢山載っているので、シグネチャーメニューを探し当てて注文してみましょう。

 また、隣の人が食べているものが美味しそうだったら、その料理を指さして「これください」と注文してみるのも手。メニュー表からは想像しづらく自分では頼まないようなメニューに出会えることもあります。

私たちがバルでよく使った単語集

 ひとつ uno(ウノ)

 ふたつ dos(ドス)

 チャコリ chacoli(チャコリ)←バスク語だとtxakoli

 赤ワイン vino tinto(ヴィノ ティント)

 白ワイン vino blanco(ヴィノ ブランコ)

 カニ txangurro(チャングーロ)

 タコ pulpl(プルポ)

 イカ calamar(カラマル)

 ハム jamon(ハモン)

 タラ bacalao(バカラオ)

 サーロイン sollomijo(ソロミージョ)

 フォアグラ Foie(フォア)

キッチンで作る温かい料理を注文しよう

カウンターに並ぶ美しいピンチョス

 バルのカウンターには、色とりどりの美味しそうなピンチョスが綺麗に並べられています。もちろんこれらを注文しても美味しいですし、指差しで注文できるので簡単で良いのですが、ピンチョスはパンの上に美味しい食材を乗せたものなので、お腹が膨らんじゃうんですよね。また、お店のシグネチャーメニューは大体が注文を受けてからキッチンで作る温かい料理です。ピンチョスにお腹の容量を取られるより、シグネチャーメニューの絶品料理を食べることを強くお勧めします。

温かい料理は出来立て熱々で、お値段も手頃

 ランチの時間とディナーの時間の間に中休みを設けているお店と、通しで営業しているお店があります。通しで営業していても、中休み時間帯にはキッチンが閉まっていて温かい料理を注文できないことがありますので、注意してください。

 通し営業でキッチンが開いていたお店(2025年1月時点):gandarias、bar sport

 通し営業でもキッチンが閉まっていたお店(2025年1月時点):atari

アルコール度数の低いチャコリがおすすめ

 何を食べるかはもちろん、何を飲むかも、結構重要です。バスク地方でよく飲まれる「チャコリ」は、アルコール度数が低い微発砲の白ワインです。

 何軒もバルをハシゴするのであれば、その都度ビールやワインを飲むよりも、チャコリで刻んだ方が、酔っ払いすぎず、美味しい料理を楽しみ続けることができるのでお勧めです。私は肉料理が美味しいお店だけは赤ワインにしています。

 ちなみに、バル巡りをしていても、日本の飲み屋街のように、道で大声をあげて何か叫んでいたり、吐いていたり、寝ていたりするような酔っ払いは見かけませんでした。間違っても酔っ払って醜態を晒さないように気をつけてくださいね。笑

パンは美味しいソースを拭うだけ

こういう風に、小さなカゴにバゲットを入れてくれる

 キッチンで調理する温かい料理を頼むと必ず提供されるのがパンです。提供されるパンを全部食べているとそれだけで結構お腹がいっぱいになってしまい、バル巡りに支障をきたします。パンは全部食べず、美味しいソースを拭って食べるためだけに使うのがお勧めです。

支払いはクレジットカード。VISAかmasterしか使えない店がほとんど

Alina KuptsovaによるPixabayからの画像

 支払いは、注文の都度のお店と、レストランのように注文した料理が全て提供されて食べ終わった後のタイミングのお店があります。食べる場所(カウンター前/店の外/テーブル)によって変わるお店もあるので、様子を見ながら対応してください。

 最後にお会計の場合は、注文時と同様、店員さんと目を合わせて「La cuenta por favor. ラ クエンタ ポルファボール(=お会計お願いします)」と言いましょう。現金かカードか聞かれます。現地の人は現金で払っている人も多いですが、旅行者っぽい人はクレジットの人が圧倒的に多かった印象です。カウンターでタッチ決済できるので便利。クレジットカードは大体どのお店でもVISAとmasterは使えますが、AMEXやJCBが使えるお店は限られています。

美味しいオススメバル9選!

bar Sport

神。美味しすぎて毎日行ったバルです。朝から夜まで通し営業でキッチンも開いていて、どの料理も美味しくて最高。ただサンセバスチャンで最も有名なバルなので混雑がすごい。でも日本語メニューもあり、ちょっぴり日本語が通じる、日本人も押し寄せる。18時頃は比較的空いていました。

看板メニューはフォアグラ、ウニクリーム。その他イカにチャングーロ詰めたやつとか、豚足の揚げ物とかなんでも美味しくてハズレがない。マジで神。

フォアグラは2段重ね!!ウニクリームはウニの旨みが濃厚でたまらん!
イカのカニ詰め、羊肉揚げたやつ。美味美味。

Casa Urola

シグネチャーの帆立のクリームソースが恐ろしく美味しい店。海苔とアーモンドの風味がクリームソースとマリアージュして、驚きの美味しさ、マジで一回食べたら毎日食べたくなる感動的な味。ここも海苔の使い方が日本人の舌に合うのか、日本人のお客さんが多く、店員さんもちょっとだけ日本語を喋ってくれる(ホタテとかウニとか、こんにちは、とか)。

Gandarias

通し営業でキッチンも閉まらないありがたいバル。こちらも人気店なので、かなり混雑していますが諦めずに突っ込みましょう。笑

シグネチャーはサーロイン(sollomijo)のピンチョスだけど、キッチンで作るやつだからカウンターには並んでいないので注文しましょう。お肉がめちゃくちゃ柔らかくて、岩塩との相性抜群で美味しい。その他、ウニクリームもよく食べられています。

ソロミージョはめちゃくちゃ柔らかくてナイフ要らず。

Tボーンステーキの串焼きは歯応え抜群でジューシー

GANBARA

バルというよりレストラン。全員着席の店なのでいつも並びの列ができています。有名なのはキノコ炒めに卵黄を載せた料理だけど、レストランなので結構お高い。おすすめはチャングーロのタルト。臭みのないカニの旨みが口の中に広がります。ここも日本人が多いです。

Bar Txepetxa

イワシのピンチョスの専門店。特に美味しかったのはウニとイワシのピンチョスと、サーモンとイワシのピンチョス。が、どれを食べても美味しいです!専門店だけあってイワシの美味しさは圧倒的。いい塩梅にマリネされたイワシをぜひ堪能して欲しい。

そして、ここも美味しすぎて何度も通いました。

お客さんがいつも多くて賑わっています。すぐにメニューを渡してくれるので注文しやすい。スタッフのユニフォームがカワイイのもポイント。

LA CEPA

生ハム(ハモン・イベリコ)が最高に美味しい店。沢山吊るされている生ハムの原木は全てハモン・イベリコというこだわり。ここも日本人多め。

おすすめはもちろん生ハム!!サンセバスチャンの生ハムの中で一番美味しいと思う。生ハムだけだとちょっと味気ないので、野菜も摂ろうってことで青唐辛子の素揚げも一緒に頼みました(全く辛くないです)。これも良い塩加減で美味。バル巡りしていると結構野菜不足になるので、ここで野菜チャージです。

La Vina

バスクチーズケーキの元祖と言われている有名店。チーズケーキは程よい甘さとチーズの濃厚さが組み合わさって最高に美味しい!1皿で2切れ付いてくるので、2人で1皿でもいいかも。

持ち帰りもできるので、お腹いっぱいでも夜食や翌日の朝食に買っていくのもあり。持ち帰りの際はtake awayと言わないと怒られるので要注意。笑

チーズケーキが有名ではあるけど普通にバルなので、飲んでいる人も多いです。私たちも飲んでましたが、普通に美味しいです。

La cuchra de san telmo

入り口が狭くて鰻の寝床のような店内です。ここはカウンターにピンチョスが並んでいなくて、全部注文して作ってもらうスタイル。

魚介のタパスがすごく美味しいお店で、タコのガーリックグリルはソースが絶品。珍しくパンを食べ切ってしまったほど。イカ墨リゾットも絶品でした!

BERGARA BAR

旧市街からちょっと徒歩で東側に行ったところにある新市街のお店。日本語のメニューもありました。

フィデウア(スパゲティのパエリア)とポルチーニリゾットフォアグラ乗せが美味しかった。

フィデウア、リゾット

まとめ

お酒が好きな方は、一生に一回は行った方がいい!!!!と超絶おすすめできる、素晴らしく美味しく楽しい場所でした!

絶対また行く〜〜〜!!!!