伊勢海老のブイヤベースが美味しくて、源泉掛け流しの温泉が貸切で利用できるという伊東温泉の「マストランプ」は、「山と温泉のきろく」という月山ももさんが書いているブログの記事で見かけてから気になっていました。X(旧Twitter)でも、7月末に温泉オタクのながちさんがマストランプに泊まってすごく良かったという発信をしていたり、現役アナウンサーの温泉専門家・植竹深雪さんも絶賛しているのを見て、泊まりたい欲が高まっていました。
一方、2023年9月から翌2月まで、静岡県の伊東市が「伊東を掘りおこそう！宿泊キャンペーン」を実施しています。これは1人1泊5,000円を上限として、宿泊金額が20%引きになるキャンペーンです。結構人気があり、楽天トラベルやじゃらんなどでクーポンを配布するとその日中にはクーポンがなくなってしまうことも多かったのですが、ちょうど楽天トラベルのクーポン追加配布日に検索したところ、3連休中に1室、マストランプに空きがあるのを見つけました。平日の午前中でしたが夫に「どうせ三連休ヒマだから泊まりに行かない?!」と連絡し、同意を取り付けて速攻で20%オフで予約したのでした。
アクセス
マストランプの最寄駅はJR伊東線の伊東駅です。伊東駅はJR東日本と伊豆急行の境目で、更に南に行く場合は伊豆急行で伊豆急下田方面です。温泉観光地ですし、乗り換え駅ということもあり大きな駅なので、特急の踊り子・サフィール踊り子共に停車します。
今回は、新宿駅からサフィール踊り子に乗って伊東駅まで行きました。サフィール踊り子は全席グリーン車の大人な特急で、夫婦でとても気に入っています。
大人の伊豆を感じる旅へ。「サフィール踊り子」体験記 - オトクトリップ！
14時15分頃伊東駅に到着。15時のチェックインにはまだ少し早いので、伊東駅でぶらぶらお土産を物色したりしてから、マストランプに連絡します。17時までだったら駅から送迎していただけるそうで、駅から電話したところ、15分後に駅に迎えにきてくれることになりました。雨も降っていたので送迎していただけて有難いです。
伊東駅からマストランプまで、送迎車で約5分。送迎に来てくださった方と「あいにくのお天気ですね〜」なんて話をしていたらすぐ到着しました。
チェックイン
車で山の上の方まで登ってくると、マストランプが現れました。早速チェックインです。
夕食は18時頃〜、朝食は8時半頃〜の一斉スタート。準備ができたらお部屋にお電話をいただけるスタイル。カジュアルで良いのでお洋服を着てきて下さい、とのことでした。部屋着は作務衣なのですが、それを着ては来ないでね、ということのようです。
貸切温泉は内湯が２つ（岩風呂・伊豆石風呂）と露天風呂が１つ。チェックイン時に予約をします。夕食後の19時半以降はフロントに予約表が出て、空いている時間帯に自分の部屋番号を追記することができます。
館内案内
マストランプは本館のほか、敷地内に離れの2室と露天風呂があります。下の図のピンク色のところは桜が植っていて、春になると桜を楽しめるようです。
コチラが本館。本館の右側がレストラン、左側が客室になっています。
全7室の小さなお宿なので、フロントはこぢんまりとしています。フロントから左側を見ると階段があり、上ると2階の客室3部屋、下ると1階の客室2部屋と、奥に内湯2つがあります。フロント右側はレストランです。
2階廊下の突き当たりには船の模型がありました。2階から更に上がると休憩スペースのようなところも。ここから外に出ると喫煙スペースになっているようです。
本館を出ると離れが2棟あります。今年(2023年)の夏にできたばかりらしく、モダンな感じで新しいです。源泉掛け流し温泉付きでテラスもあり、森を感じることができるようなお部屋だそうなので、予算が許すならコチラに泊まってみたい。
写真右側の小石敷になっているところには自動販売機があります。お酒を持ち込む場合は1,000円×人数分の持ち込み料がかかりますが、この自動販売機で購入してお部屋で飲む場合は持ち込み料はかかりません。静岡麦酒350mlが360円、500mlのミネラルウォーターが120円でした。種類は多くありませんが、他にもお茶やジュース、ハイボール、酎ハイなどが売っていましたよ。
お部屋
マストランプのお部屋は本館5室と、離れが2室の全部で7室です。本館にある和洋特別室は源泉掛け流し露天風呂付き。離れの2室（ル・ボワ、ラ・リヴィエール）はそれぞれ2階建てで、源泉掛け流し風呂に加えてテラスも付いているスイート仕様です。
スタンダードツインルーム
私が泊まった一番リーズナブルなお部屋です。定員は2名、24㎡。ベッドがデュべスタイルじゃなくてスプレッドスタイルなのがちょっと残念ですが、小規模な宿だと仕方ないのかな。でも、よく眠れました。
あと気になったのは、両隣のお部屋の話し声がよく聞こえたこと。これもある程度仕方ないことなのですが、ちょっと気になってしまったかな。どちらの声も普段から声が大きくておしゃべりな人っぽい感じがしたので、運が悪かったのかもしれません。
テーブルにはお茶セット。お菓子はありませんが、ほうじ茶、緑茶、ローズヒップティー、ペパーミントティーと種類豊富です。お湯は翌朝ぬるくなっていましたが、一応お茶として飲めました。冷蔵庫は空っぽ。買ってきたソフトドリンクや自販機で買ったビールなんかを冷やしておけます。
ドライヤーは風が弱くて、多毛な私にはだいぶ辛かったです。月山ももさんのブログだとionityだったりするので、お部屋によって微妙に置いてあるドライヤーが違うのかもしれません。化粧水などのアメニティはなし。歯ブラシやヘアブラシはあります。お風呂は使いませんでしたが、一応お部屋にも付いていました。
クローゼットには部屋着の作務衣、というかパジャマ？が置いてありました。着てみるとこんな感じ。頭を通す部分が小さくて、頭がデカい自分は着る時ちょっと大変でした。笑
デラックスツインルーム
スタンダードツインより広めの34㎡。定員2名。リラックススペースがありますね。3月後半は桜も見られるそうです。
和洋室
34㎡、定員3名。コチラのお部屋も春には目の前に桜が咲くみたいです。
露天風呂付き和洋特別室
52㎡、定員4名。８畳の和室に濡縁、ゆったりとしたベッドルームが付いた贅沢なお部屋。信楽焼の露天風呂は源泉掛け流しです。いつでも好きな時に温泉に入れるのが最高ですよね〜
離れ ル・ポワ
80㎡、定員4名。2階建てで源泉掛け流しの温泉とテラス付き。テラスも付いていて、外気浴もできそうだし、森の空気を感じられて気持ちよさそう。
離れ ラ・リヴィエール
81㎡、定員4名。2階建てで源泉掛け流しの温泉とテラス、更にサウナまで付いている。サウナ好きな方はこちらのお部屋がよさそう。
美味しいと評判のお料理
さて、待ちに待ったお食事です。ここは夕食だけでなく朝食も美味しいらしいので、とても楽しみにしていました（＾＾）夕食・朝食とも、フロント横にあるレストランでいただきます。
夕食
まずはドリンクメニューからご紹介します。お料理に力を入れている宿なので、特にワインの種類が豊富です。
ノンアルコールは自家製ジュースや100%アップルジュースのスパークリングなどが気になりますね。下の方にこっそり書いてあるリゾットは、食べないと後悔する美味しさです。
ワイン以外のアルコールも一通り揃っています。ビール、カクテル、日本酒、焼酎、ウイスキー。ワインを飲んでいる方が多かったですが、ビールやハイボールを頼んでる方もいました。
グラスワインは泡・白が2種類ずつ、赤・ロゼが1種類ずつ。魚介系のお料理が中心なので、泡と白が多めなのでしょうね。
ボトルワインもやはり白ワインの方が多めです。4,000円台からあるので、2名以上でグラスワインを1人3杯程度飲むならボトルを入れたほうがリーズナブル。
私たちは夫婦ともにワインをよく飲むので、白ワインのボトルのメニューから、コストパフォーマンスが高いというフレーズが気になる「Paul Mas」をオーダーしました。
スタッフの方曰く、甲殻類にとてもよく合うワインだそうで、確かに伊勢海老のビスクやブイヤベースに合っていて美味しかったです。
始まりの一皿は、サザエのガーリックバター焼き。ガーリックバターで焼いてるので美味しくない訳がありません。肝の部分も入っていて、磯の香りが美味しい一品でした。シュー生地はそのまま食べても甘くて美味しいんですが、貝殻の中に残ったガーリックバターの汁を吸わせて食べるのが、多分正解。
２皿目は伊勢海老のビスク。ガラスの器が素敵です。
伊勢海老の濃厚な旨味が爆発した出汁、火の入れ方と食感のバランスが良くソテーされたキノコ、絶妙な火の入り方でプリプリしたエビに、温泉卵。
絶対に卵崩してください。美味しいので。
ここで勝利を確信。
そうしているうちに、パンが配られました。重みがあって、これだけでも美味しいんですが。フレンチコースのパンは、スープとソースを拭って最後まで食べるためにあるのだ。伊勢海老のビスクを拭って食べます。美味しいよ〜〜〜たまらん。
次のお皿は、(たしか)平目のムニエル。添えられているお野菜はズッキーニとししとう。あとは珍しい野菜で、南瓜とズッキーニの掛け合わせたものと、つるむらさき。
いずれの野菜も良い火の入り具合と下味で美味しくいただきました。
お魚はふんわり焼き上がっていて、皮はパリパリ。魚の出汁とベルモットを使ったソースがかかっていたのだけどこれが絶品。魚の旨みと絶妙な酸味、バター？のコクが組み合わさって美味。ここ最近で食べた魚料理では一番だったかも。
これも、最後までパンで拭って食べました。
そして、今回の旅のメインである伊勢海老のブイヤベースが来ました！！テーブルごとにコンロが運ばれて、鍋の要領で温めていきます。グツグツしてきたら食べごろ。
伊勢海老は1人半身ずつなので、2人でまるまる一匹入ってます。あとはムール貝と、数種類のお魚の身、そしてアリオリソースが入っています。
これがまた、伊勢海老と魚介の出汁と香りが最っっ高に美味しい。これは、話題になるのがわかるわ〜〜いつまでも食べていたい…と思っていると、「リゾットにしますか？」と聞いてくださいます。もちろん。リゾットにするためにブイヤベースを残しておいたんだから。お米の量は通常は軽く2膳分なんですが、調整可能。私はお腹いっぱいになりそうでしたが、夫はまだ食べられる！と言うので多めでお願いしました。
しばらくすると、お米とチーズと卵を持ってきて、その場でリゾット(正確にはおじやの気が・・・)を作ってくれます。いや〜これがまた、美味しいのね。チーズと卵でブイヤベースの味が更に深みを増して濃厚になって、もう幸せ。たまらんっっ！！
ただちょっと失敗したのがもうちょっとブイヤベースを煮詰めてからお願いすれば良かったこと。きっと更に濃厚な旨みが広がったんだろうな〜
これだけでも優勝ですが、バターが少し追加できれば更に美味しかったんだろうなぁと思いました。
食後はコーヒーか紅茶、ハーブティーから選べます。デザートは秋らしく栗のデザート。アーモンドの生地の上に栗と、栗のムースと、その上にミルクのムースが乗っています。少し甘めの栗のムースと少し酸味のあるミルクのムースの組み合わせがとっても美味しかった♡
舟盛り付きのプランとか、メインがもう一品のプランとかもあったのだけど、30代後半の私には何も付けないスタンダードコースでお腹いっぱいでした。もう少し若かったら全部食べられたのだけど、最近お腹の容量が減っている。。。
ルームサービス
夕食後に温泉に入ってお部屋に帰ってきたらもう一杯お酒を飲みたくなったので、22時ラストオーダーのルームサービスをギリギリで注文しました。
お部屋の冊子にルームサービスのメニューが載ってるんですが、レストランのドリンクメニューも頼めるとのことだったので、山ももスパークリングと夏みかんカクテルを。アルコールは強すぎず甘くて、寝る前の一杯にちょうど良かったです。
朝食
朝食も昨日のレストランで。皆昨日と同じ席に自発的に着席していきます。笑
最初に、冷たい飲み物（オレンジジュースor牛乳）と温かい飲み物（コーヒーor紅茶）を聞かれます。冷たい飲み物は、ほとんどの方がオレンジジュースを頼んでいた気がします。
まず運ばれてきたのは、白インゲン豆と香味野菜とベーコンのトマトスープ。普段豆はあまり好きではないのですが、この白インゲン豆は硬い物をじっくり煮ているらしく、なんだか美味しくて食べられました。豆の出汁とベーコンのスモーク感と濃厚な旨みがトマトスープに溶け出して、とても美味しかったです。
次は玄米と根菜のサラダ。蓮根、ごぼう、クルミ、トマトがバルサミコ酢ベースのドレッシングとよく合います。箸が進みます（スプーンだけど）。
サラダを食べ終えると、卵料理の乗ったお皿がやって来ました。スクランブルエッグにベーコン、さつまいものマスタード煮、ラタトゥイユ、ブロッコリーのバルサミコ酢風味。どれも美味しいのですが、特に気に入ったのはさつまいものマスタード煮。旨みがあって美味でした。
パンは好きなだけ食べられます。4種類あり、クロワッサン、塩バターパン、りんごのデニッシュ、レーズンパン。私はお腹の容量を考えて塩バターパンひとつだけにしました。バターが効いていて美味しかったです。夫はりんごデニッシュ以外の3種類を食べていましたが、クロワッサンが一番美味しかったと言ってました。
デザートはヨーグルトに蜂蜜をかけたもの。これも甘くて美味しかったです。
温泉
内湯には洗い場とシャワー・カラン・シャンプー類があり、利用時間は40分間(朝は30分間)。露天風呂は洗い場やシャワー等がなく、利用時間は25分という設定です。温泉へは作務衣で行ってOK。タオルは浴室に用意がないので、部屋から持っていきます。
内湯・露天風呂ともに加水・加温・循環なしの源泉掛け流しです！
露天風呂
露天風呂へは、離れの2部屋の更に奥にあるこの小屋から。脱衣所にはサウナがありますが、今は使われていないようです。
脱衣所を出ると、この景色！巨石露天風呂という名前の意味がわかりますね。デッカい岩がダイナミックで、左の植物が南国感を醸し出しています。写真で見るより、露天風呂自体も大きいです。そして、結構熱かった。25分しかないから、と頑張ってお湯に浸かりすぎたのか、のぼせてしまいました。もっと外気浴をすれば良かった。
お湯自体はうっすら塩っぱくて、よく身体が温まります。秋になって肌が乾燥して痒みを感じ始めたところでしたが、このお湯に浸かったら全然乾燥が気にならなくなりました。
ここは桜の木に囲まれているらしく、春になると桜を見ながら湯浴みが楽しめるそうです。そんなの聞いたら春に来たくなってしまうわ。
岩風呂
内湯は本館1階の奥の暖簾の更に奥へ。脱衣所はどちらも同じような感じで、特に何も置いてありません。ドライヤーもないので、髪を乾かすのはお部屋になります。
洗い場もどちらも同じ感じです。シャンプー、コンディショナー、ボディソープは置いてありますが、どこのブランドのものかはよく分かりませんでした。
お湯は露天風呂と同じはずですが、岩風呂は温度が低めで長く浸かっていられました。窓は大きく開け放てるので半露天のような感じ。外の板敷のところに寝そべると外気が気持ちよかったです。
伊豆石風呂
伊豆石風呂は岩風呂と大体同じですが、浴槽がゴツゴツしてなくて、綺麗に切られた石で作られているので整形です。岩風呂より少し広いかな。温度も岩風呂と同様低めで良かったです。どちらも庭の緑が綺麗でした。
内風呂も春になると桜が綺麗に見られるのだとか。
施設概要
施設名 マストランプ 源泉掛け流しの小さなホテル
住所 〒414-0055 静岡県伊東市岡370
チェックイン 15時（最終18時）
チェックアウト 10時
総客室数 7室
アクセス 伊東駅より車で3分
まとめ
噂に聞いていた通り、と言うか期待以上に、お料理が美味しかった！
伊勢海老のブイヤベースは名物だからもちろんのこと、魚料理や朝食もひとつひとつ丁寧に美味しく作られていて、これは来て良かったな、また来たい、と食べている時から思いました。朝食で感動したのは初めてかも。
3月頃には桜を見ながら温泉に入れるらしいので、次は春に訪問したいと思います。
